シェラトン・ディアナ・マジェスティック (ミラノ /イタリア )

ミラノでは、昔ながらの小さなホテルに泊まりたい、と色々と探しました。雑誌大好き人間の私が、長年にわたって切り抜いた「ミラノ特集」の記事の中から、候補となるホテルを幾つか選び、インターネットで検索してみました。それが、このシェラトン・ディアナ・マジェスティックです。

ミラノ中央駅からタクシーに乗ると、路面電車が走る合間をすり抜けて、間もなくホテルに到着しました。ホテルの前にぎっしり停まった車列の中、真っ赤なフェラーリにぶつかりそうになりながら、タクシーは玄関前の歩道に乗り上げて停車します。

タクシーを降り、ゆっくりと回転ドアを抜け、ロビーに一歩、足を踏み入れると、そこには古き良きミラノの雰囲気が漂っていました。アール・デコ様式でしょうか？市松模様の床、木目の美しいフロント・カウンター、古びた回転ドア、風変わりな照明など、狭い空間にごちゃごちゃとあります。そして、ロビーの奥はパーティのお客でごったがえしていました。

このホテルは、１９０８年の創業で、その後、リニューアルされシェラトン・ホテル＆リゾートの系列になりました。部屋数は１０７室で、花々が咲き乱れる中庭のある四つ星のホテルです。部屋にはストリートサイドとガーデンヴューの２タイプがあるはずですが、インターネットで予約しようとすると、部屋の料金設定が細かく区分されているにもかかわらず、説明を読んでもよく分かりません。結局、えいやーっと、デラックス・ルームを３５５ユーロで予約しました。　部屋はストリートサイドの２０２号室で、簡素なインテリアながらも、黒を基調としたクラシックな調度品が心地良い空間でした。浴室は、白を基調とした空間で、清潔で落ち着いた雰囲気です。バスローブが用意されていなかったので、スタッフに電話をしたところ、直ぐに届きました。窓の外は路面電車の走る大通りで、開けないように、という注意書きがありました。そして、並木の新緑が目に染みます。

半円形に突き出したガラス張りのティールームとバーからは、花々が咲き乱れる中庭が眺められます。ガラス・ドアから中庭に出ると、藤棚があり、淡い花が満開でした。藤の花ってイタリアにもあるのね、と変な感心をしました。池の周りにも色々な花が咲いていましたが、すべて日本で見かける花でした。東南アジアのリゾートで遭遇する、日本では見たこともない花に出会う、という驚きはありませんでした。中庭にはテーブルと椅子が準備中で、５月以降は食事とお茶が楽しめるそうです。 　ホームページの絵によると、ここは昔の大邸宅か宮殿の跡だったのでしょうか？。現在見るこの中庭は、実際には小さなもので、少しがっかりしました。

バーの奥にレストランがあり、朝食（ブッフェは３６ユーロ）を食べました。 　レストランのインテリア、テーブル・セッティング、豊富なメニューのブッフェは、たいへんセンスが良くて、お洒落でした。特に、壁に飾られた女性の大きな写真が印象に残りました。 　レストランだけでも一見の価値がある、と思いました。そして、スタッフの許可を得て、写真を撮らせて頂きました。

小さなグラスに用意された苺シェークが美味しいです。そして、アメリカ人らしいジーンズにタンガリー・シャツ姿の老夫婦が静かに食事をしていました。歳をとっても夫婦二人で海外旅行が出来て、羨ましく思いました。

ミラノ中央駅（空港とのシャトルバスの乗り場があります）からタクシーで約１０分、地下鉄のポルタ・ヴェネツィア駅から徒歩で約３分、緑の美しいプッブリチ公園（市立公園）が近くにあります。ミラノ中心部へは地下鉄でも徒歩でも行けます。 　大通りが石畳で出来ていますので、深夜の路面電車、車、オートバイの音が非常に耳障りです。ガーデンヴューが是非お勧めですが、インターネットの予約では分かりにくいので、メールなどで直接確認した方が賢明です。 　とにかく古き良きミラノの雰囲気がたっぷりのホテルです。

from SHERATON DIANA MAJESTIC 2003 CONTAX 645 P80mm F2 / Fuji PN400 Fuji TIARA ix TITANIUM 作成日　2004年08月01日 最新更新日　2004年08月24日